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貯金200万円で、留学は何ヶ月できるか。3パターンで計算した

費用の相場記事は多いが、手持ちの金額から逆算した記事は少ない。貯金200万円を前提に、行き先と期間の組み合わせを3パターン計算し、何が残るかまで出した。

公開 2026-09-04更新 2026-09-08読了 約5分種別 現在の情報(確認日つき)

留学費用の記事は「1年でいくらかかるか」から始まるものが多い。 だが実際に必要なのは逆の計算だ。手持ちがこれだけある。何ヶ月行けるのか。

ここでは貯金200万円を前提に、3つのパターンを組んだ。 27歳・独身・現在は会社員、というモデルで計算している。

注意: 以下は2026年9月4日時点で確認できた公開情報から組んだ試算であり、 実際の見積もりではない。為替は1USD≈155円、1AUD≈112円で換算した。 学費は学校ごとに大きく違うので、幅で置いている。


パターンA:フィリピン・セブ島 6ヶ月

英語をやり直すことが目的で、費用を最優先する場合。

項目 金額 備考
授業料+滞在費+食費 90万〜120万円 セブは学費に寮・食事が含まれるのが一般的
往復航空券 5万〜10万円
ビザ・SSP等 5万〜10万円 SSPは期間を問わず必須
海外留学保険 6万〜10万円 アジア圏は安い
現地の雑費・小遣い 20万〜30万円 週末の外出・通信費
小計 126万〜180万円
帰国後の生活費(3ヶ月分) 45万〜60万円 次の収入まで
総額 171万〜240万円

判定: 学費が下振れすれば200万円で6ヶ月+帰国後3ヶ月が成立する。 上振れすると届かない。短縮する場合、期間に比例する項目(学費・保険・雑費)を月割りして組み直すと、 4ヶ月なら上振れでも約187万円で収まる。5ヶ月は上振れで約213万円になり、200万円を超える。 月割りは上の表からの当方の計算であり、実際の学校は週数ごとの料金表を持っている。 幅で置いた数字である以上、「この期間なら確実」とは言えない。 短縮する前提で組むなら、 学校ごとの料金表で自分の週数の行を確認してほしい。

残るもの: 1日7〜10時間のマンツーマン授業を数ヶ月。英語の土台を作る用途では効率がいい。 一方、欧米の学位や現地就労には直結しない。


パターンB:オーストラリア 6ヶ月(語学学校)

英語圏で暮らすこと自体が目的の場合。ワーキングホリデーではなく学生ビザを想定。

項目 金額 備考
授業料 90万〜120万円 週20時間程度の語学コース
滞在費(シェアハウス等) 60万〜90万円 都市による
食費・交通・通信 35万〜50万円
往復航空券 12万〜20万円
学生ビザ(ELICOS) 約23万円 AUD 2,050・2026年7月改定
海外留学保険(OSHC等) 10万〜15万円
小計 230万〜318万円

判定: 200万円では6ヶ月は成立しない。 ビザだけで23万円かかるのが効いている。

なお、この学生ビザ(ELICOS)のA$2,050は2026年9月4日時点の数字で、 2026年9月8日に豪州内務省のSubclass 500のページを見た時点では、 減額後の具体的な額が掲載されていなかった(同ページは「From AUD2,500.00」と書き、ELICOS部門に減額があるとだけ記載)。 実額はVisa Pricing Estimatorで確認してほしい。

3ヶ月に短縮すると、授業料45〜60万・滞在30〜45万・生活18〜25万・航空券12〜20万・ ビザ23万・保険5〜8万で 133万〜181万円。帰国後の生活費を足すと200万円ぎりぎりになる。

残るもの: 英語圏での生活経験。ただし3ヶ月では語学力の伸びは限定的という声が多い。 なお学生ビザには就労条件があるので、稼いで補填する前提で組むなら必ず公式で条件を確認すること。


パターンC:休職して3ヶ月 + 帰国後すぐ復職

会社を辞めない場合。ここが貯金200万円だと一番現実的になる。

項目 金額 備考
留学費用(セブ3ヶ月) 65万〜90万円 パターンAの半分
往復航空券・ビザ・保険 15万〜25万円
休職中の社会保険料(自己負担分) 15万〜25万円 無給休職でも発生する
日本側の固定費(家賃等) 30万〜60万円 部屋を引き払わない場合
総額 125万〜200万円

判定: 収まる。しかも帰国後の無収入期間がない(復職するため)。 これがA・Bとの決定的な差になる。

見落としやすいのが社会保険料だ。休職中も休職前の標準報酬月額に基づいて発生し続け、 免除されるのは産休・育休だけ。私事都合の留学休職は免除の対象外になる。 無給なら本人負担分を毎月払うことになるので、事前に会社に確認しておく必要がある。

日本側の固定費も効く。部屋を引き払えば月々は浮くが、帰国後の初期費用がかかる。 どちらが安いかは残りの契約期間で変わる。


3パターンの比較

期間 総額 200万で足りるか 帰国後の無収入期間
A セブ 6ヶ月 171〜240万 △ 条件次第 3ヶ月
B 豪州 6ヶ月 230〜318万 ✕ 届かない 3ヶ月
B’ 豪州 3ヶ月 133〜181万+帰国後 △ ぎりぎり 3ヶ月
C 休職+セブ 3ヶ月 125〜200万 ○ 収まる なし

この表から読めること

「いくらかかるか」より「辞めるかどうか」の方が、金額への影響が大きい。

辞めると、留学費用に加えて帰国後の無収入期間の生活費が乗る。 3ヶ月で45〜60万円、転職に半年かかれば100万円を超える。 これは留学費用そのものより大きい変数になりうる。

だから貯金200万円という条件では、まず休職が使えるかを調べるのが先だ。 就業規則の休職事由に私事留学が含まれているか。それだけで選べる選択肢が変わる。 順番は社会人の4ルートに書いた。

自分の数字でやり直す

上の表はモデルであって、あなたの見積もりではない。 学費は学校で違い、滞在費は都市で違い、為替は毎日動く。

やることは、この表の項目を自分の条件で埋め直すことだ。 見積もりの外に出やすい項目はこちらに一覧がある。

そして、埋めたあとに残る金額を見て「これで足りるか」ではなく **「これを使って何が残るか」**で判断してほしい。 金額が足りても、残るものがなければ意味がない。私はそれで遠回りをした。


本記事の金額はすべて2026年9月4日時点の公開情報に基づく試算であり、 特定の学校・会社の見積もりを示すものではありません。 学費・滞在費・ビザ要件・保険料・為替は変動します。実際の判断は各社の見積もりと公式情報でご確認ください。

HK
筆者: 加藤寛明

1996年、新潟の高校からアメリカへ。米国の大学でジャーナリズムを専攻し卒業。帰国後は日本で働いたのち、ベトナムで就職。2016年からベトナム在住、日系企業の管理職。留学の手配や学校の紹介はしていません。プロフィールと編集方針