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学生の方へ

お金がない大学生が、留学費用をどう用意するか。返さなくていいお金から順に

貯金がない、親に言い出せない、英語も苦手。その状態から留学費用を組み立てる順番を、返さなくていいお金から順に整理する。留学は「お金がある人のもの」ではない。

公開 2026-09-04読了 約5分種別 現在の情報(確認日つき)

留学の費用の話は、たいてい「総額いくらかかるか」から始まる。 200万、300万という数字が出てきて、そこで大半の人が読むのをやめる。

この記事は逆から書く。払える金額に、留学の方を合わせにいく話だ。

私は親に出してもらったので、この工面を自分でやっていない。 だから体験としては語れない。ここに書くのは、調べて確認できた制度と順番だけだ。 (確認日はすべて2026年9月5日。制度は変わるので、必ず公式で最新を確認してほしい。)

順番を間違えないこと

お金の当てを探すとき、多くの人はいきなりバイトと借入から考える。逆だ。上から順に潰す。

  1. 返さなくていいお金(給付型奨学金)
  2. そもそも学費が発生しない仕組み(大学の交換留学)
  3. 費用が安い行き先
  4. 現地で稼ぐ
  5. 返すお金(貸与型奨学金・ローン)

5番から考え始めると、上の4つを検討しないまま借金が確定する。これがいちばんもったいない。

1. 返さなくていいお金

トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム

文部科学省が官民協働で行っている給付型の支援制度。返済不要。

公式情報(JASSO・トビタテ公式サイト)で確認できた特徴が、 お金がない人にとって重要だ。

  • 成績要件がない
  • 語学力の要件がない
  • 留学先を自分で選べる
  • 奨学金に加えて、留学準備金と授業料の支援がある
  • 大学生向けの派遣数は250名(第18期の募集要項による)

「成績も語学力も要らない」というのは、この種の制度としてはかなり珍しい。 英語が苦手だから諦めていた人は、ここを読み飛ばさないでほしい。

一方で募集の時期が決まっている。第18期は2026年2月27日が申請の締切とされている。 留学の開始時期も2026年8月から2027年3月の間、期間は28日から1年(3か月以上が推奨)とされている。

→ つまり、思い立った月に応募できるとは限らない。締切から逆算する必要がある。 最新の募集要項は必ず公式で確認してほしい。

JASSO 海外留学支援制度(協定派遣)

日本学生支援機構の制度で、大学間の協定に基づく派遣が対象。 在籍している大学が協定を結んでいるかどうかが前提になる。 詳細はJASSO公式にある。

大学独自・民間財団の奨学金

大学の国際交流センターや、民間財団が独自に出しているものがある。 JASSOが留学奨学金の検索サイトを公開しているので、 条件を入れて探せる。

まずやること: 自分の大学の国際交流センターに行って「留学の奨学金の一覧はありますか」と聞く。 これは無料で、その日にできて、いちばん効率がいい。

2. 学費が発生しない仕組み — 大学の交換留学

在籍大学の**交換留学(協定校留学)**なら、 日本の大学に学費を払い、留学先の学費は免除という形になっている場合がある。 制度は大学ごとに違うので、これも国際交流センターで確認するのが早い。

さらに、留学中の単位が在籍大学の単位として認定されれば、留年せずに卒業できる可能性がある。 留年すると学費が1年分増えるので、ここは金額として大きい。

注意: 選考があり、GPA(成績)や語学スコアの条件が課されることが多い。 トビタテと違って、ここは成績が効く。

3. 費用が安い行き先を選ぶ

同じ「英語を学ぶ」でも、行き先で総額が数倍変わる。

一般に、フィリピンなどのアジア圏は欧米より費用が抑えられるとされている。 マルタやアイルランドが、英語圏の中では比較的抑えめとして挙げられることも多い。

ただし安さだけで選ぶと別の問題が出る。日本人の比率、現地の物価、 治安、渡航費(航空券は距離で変わる)。総額と目的の両方で見る必要がある。 このあたりは費用の見積もりの読み方に書いた。

4. 現地で稼げるか

国とビザの種類によって、就労が認められるかどうかが違う。 ここは絶対に確認がいる。

  • 学生ビザで週◯時間まで就労可能、という国もある
  • ワーキングホリデーのビザなら就労が前提になっている(年齢制限あり)
  • 就労が一切認められないビザもある

条件を誤るとビザ違反になる。これは留学が終わるだけでは済まない話になりうる。 渡航先の大使館・移民局の公式情報で必ず確認してほしい。ここだけは人づてやSNSの情報で判断しない。

また、稼げる前提で予算を組まない方がいい。仕事が見つかるまでの期間、 語学力で選べる仕事の範囲、現地の最低賃金。読めない変数が多すぎる。

5. 最後に、返すお金

ここまで潰したうえで足りない分を、貸与型奨学金や教育ローンで埋める。

借りるなら、返済開始の時期と、帰国後に確実に入る収入の当てを、紙に書けるかどうか。 これが書けないなら、金額を減らすか時期をずらす方がいい。 理由は留学しない方がいい人の条件に書いた。

現実的なスケジュール

給付型の奨学金は締切がある。だから思い立った時期によって、行ける最短時期が決まる。

やること いつ
大学の国際交流センターで一覧をもらう 今週できる
交換留学の協定校と選考条件を確認 今週できる
トビタテ等の募集要項と締切を確認 今週できる
語学スコアが要るなら、その準備を始める 締切から逆算
応募 締切に合わせる
渡航 採用の1年近く先になることもある

最初の3つは今週、無料でできる。 そしてこの3つで、 自分がいくら用意できそうかの見当がつく。総額の話はそのあとでいい。

「お金がないから無理」と決める前に

留学の情報は、お金がある前提で書かれているものが多い。 私の記事も、これまでそうだった。総額を並べて「まず紙に書け」と書いていた。 用意する側の話が抜けていた。

制度は、探した人にだけ見つかるようにできている。 大学の国際交流センターは無料で、今週開いている。 そこから始めるのがいちばん早い。


記載した制度の内容・金額・締切は2026年9月4日時点で公式サイトから確認できた範囲のものです。 募集要項は年度ごとに変わります。応募の際は必ず各制度の公式情報で最新をご確認ください。 就労可否・ビザの要件は渡航先の公的機関の情報で確認してください。

HK
筆者: 加藤寛明

1996年、新潟の高校からアメリカへ。米国の大学でジャーナリズムを専攻し卒業。帰国後は日本で働いたのち、ベトナムで就職。2016年からベトナム在住、日系企業の管理職。留学の手配や学校の紹介はしていません。プロフィールと編集方針